バトントワリングの歴史

バトントワリングとは

バトントワリングとは、金属製の棒(バトン)を手に持って回す(トワリング)だけではなく、首・肩・腕などの上を転がす(ロール)などバトン操作を行います。又バトンを高く投げ上げている(エーリアル)間に回転や様々なボディーワークを行い確実に片手でキャッチしそのまま演技を続けなければなりません。
バトントワリングは、スピーディなバトン操作に加え音楽に合わせて身体で表現する高度な技術を要する芸術性の高いスポーツです。

バトントワリングの歴史

バトンとは、シャフトと呼ばれている棒の片端にボールと呼ばれる大きなおもりが付いていて、もう一方の端にはティップと呼ばれる小さなおもりが付いているスティックです。バトントワラーは自身の肩から指先までの腕の長さに合わせたバトンを使用します。

バトンの操作方法は、大きく分けて3種類に分類されます。
①エーリアル: バトンを空中に投げ上げること。
②ロール: 腕、首、肩など動態の一部でバトンを回すこと。
③コンタクトマテリアル: 体の近くでバトンを回すこと。
これらに様々なボディーワークを組み合わせる事で難易度の高い演技に発展します。又、スピードを加える事によりバトントワリングならではの流動感を演出します。

競技種目には、1本から3本のバトンを用いた個人種目からペア、6人から8人で構成されたチーム・フリースタイルや課題曲を使用しバトンテクニックや身体表現を総合したアーティスティック・グループなど多くの分野が含まれています。音楽に合わせたダンスに高度なバトンテクニックを調和させた芸術的表現は優雅で美しさがあります。競技大会では、数百種類もあるバトンテクニックと身体表現を総合した演技がいかに曲の中に表現されているかを競います。

バトントワリングの歴史

バトントワリングの起源

バトントワリングのルーツは、所説ありますが、実際のところ不明です。ヨーロッパで大きな旗を回していたフラッグトワリングとも言われていますが最有力説は、東ヨーロッパやアジアでお祭りの際に銃や棒、ナイフ等を回しながら踊ったのが始まりとされています。
今日のバトントワリングの起源はアメリカの軍隊のマーチングにあります。パレードの時に先頭の指揮者(ドラムメジャー)がライフルを回し始めました。このライフルは後に「棒」に変えられましたが当時の棒は現在よりはるかに重くアンバランスでした。

バトントワリングの歴史

現在もバトンの両端の大きさが違うのは、元々ミリタリーバンド(軍楽隊)のドラムメジャー(指揮者)が使っていた指揮杖がベースになっているからです。

この「棒」を回すパフォーマンスは軍隊や消防隊のマーチングバンドで非常に人気がありバトントワリングが全米に広がります。女性のドラムメジャーもいましたが、初期の頃のバトンは非常に重かった為、ドラムメジャーのほとんどは男性でした。その後「棒」は軽い金属に改良され両端のボールも軽量化され現在の形になりました。伝統あるマーチングバンドでは、現在でも初期の大きいバトンを使用されています。

バトントワリングの歴史

バトンが軽量化された事によりバトンメジョレット(女性のバトントワラー)も急速に増加します。
バトントワリングは元々男性による演技品目でしたが第二次世界大戦が始まると男性は軍隊に取られた事もあり女性のトワラーが一気に増え始めました。女性トワラーが増えた事により演技もより優雅に、より美しくなっていきます。

バトントワリングの歴史

バトントワリングの進化

バトントワリングは、マーチングバンドのドラムメジャー(指揮者)が行うバトンを用いてのパフォーマンスでしたが、1960年代以降、バトンメジョレットはマーチングバンドのみならずアメリカンフットボールなどのスポーツ競技のハーフタイムにも参加しさらには世界各国でのバトントワリングの普及に努めています。

バトントワリングの歴史

バトントワラーの急速な増加に伴い、1977年にイギリス・ロンドンにてWBTF(世界バトントワリング連盟)が発足し20以上の国や地域が加盟しています。
第1回世界大会は1980年にアメリカのシアトルで開催され、その後WBTFに加盟している国々で毎年行われています。

マーチングから独立した現在のバトントワリングは、ダンス、体操技術や音楽を解釈する必要があるので単なるスポーツではなく芸術でもあると言われています。高い身体能力に加え、体操やダンス、フィギアスケートやバレエの芸術的表現と美しさが求められる競技です。

バトントワリングの歴史

バトントワリングのユニフォーム

バトントワリングはマーチンバンドの指揮者(ドラムメジャー)が先頭でバトンを回すパフォーマンスを行う事でしたので衣装は、アーミーユニフォームです。

バトントワリングの歴史

女性の場合は、アーミーユニフォームに白いブーツ。

バトントワリングの歴史

女性バトントワリングドラムメジャーユニフォーム

バトントワリングの歴史

マーチングから独立したバトントワリング競技の衣装は主にレオタード。
スカート付も選べます。

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バトントワリング & チアダンス

バトントワリングはモダンダンスとしても位置付けられ、例えばチアダンスのミスダンスドリルと言う大会にはメジャレットのカテゴリーがあり、この場合はレオタードやドレスではなくチアリーダーが着るチアユニフォームを着て演技を披露しています。この大会ではトワリング技術とダンスを融合したドリルチームらしい演技が要求されます。 又USA大会ではバトンの代わりにポンポンを持ってチアダンス (ソングリーディング) を披露されています。一般社団法人日本バトン協会が主催しているバトントワーリングの大会でもバトン編成だけではなくポンポン編成と言うカテゴリーもありポンポンを使って集団での美しい身体表現と音楽表現が求められています。

日本の高校バトン部の場合、同校の他のクラブが大会に出場する時は、チアリーダーとして応援にも駆け付けます。応援スタイルは様々でバトンを持ってチームもあればポンポンやタオルを持って応援されているチームもあります。又、学校や地域のイベントでのマーチングにも多くのチームがチアリーダーと同じチアユニフォームを着用してパレード等に参加しています。バトントワラーは、芸術的なトワーリング技術の追求だけではなく様々な活動をされていますね。

バトントワリングの歴史

埼玉南陵高等学校バトントワリング部TWINKLE GEM様

マーチングから独立した今日のバトントワリングは、女性の競技と思われがちですが、日本のバトントワリングは男女共に世界ではトップレベルです。世界大会で連続して優勝している日本人バトントワラーもおり、そのレベルの高さは世界から高く評価されています。

バトントワリングの歴史

【監修: strategic global marketing 板倉 孝】
参考文献
http://www.ssf.or.jp/dictionary
https://en.wikipedia.org
https://ja.wikipedia.org
https://tbdbitl.osu.edu
http://www.sbta-baton.com
https://sfalumnimajorette.com
https://theinvisibleagent.wordpress.com
https://digital.lib.ecu.edu
http://www.kenelrykreationsinc.com
http://thelariatonline.com
http://www.capecentralhigh.com
https://www.nbcsports.com
https://www.indiana.edu
http://www.baton-jp.org